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『永楽レアものさんギャラリー』⑤城山窯(永楽即全) 桐之絵 茶碗 三井高棟箱 [新入荷]

永楽レアものさんギャラリー、第5弾参ります。

城山窯(永楽即全) 桐之絵 茶碗 三井高棟箱

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永楽即全は、父・正全が急逝した後、60余年に渡って永楽家を支えた昭和時代の名工です。

昭和10年(1935)に16代を継ぎ、本格的に作陶を展開したのが、昭和12年(1937)から登窯を築いたところから始まった、神奈川県大磯の三井家別邸の御庭窯としての城山窯です。

祖父得全が、生前果たせなかった約束を、三井高棟(たかみね)の隠居を受けて始めたもので、昭和20年(1945)まで断続的に行われました。

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三井高棟

実業家。京都生。三井高福の八男。明治18年家督を相続し三井家第十代当主となり十五代八郎右衛門を襲名。三井家同族会議長を経て三井合名会社初代社長に就任。昭和8年に引退するまで三井財閥の多角的事業発展に君臨した。趣味人でもあり、隠居後は城山山荘にて茶道や、歌、絵等に没頭しました。昭和23年(1948)歿、92才。

城山荘  ※三井家HPより抜粋

三井家は文化・芸術を後援しており、一族には自ら嗜む者も多かった。高棟もさまざまな趣味を楽しんでおり、それは弓、書、絵画、能楽、茶の湯、陶芸、建築、築庭、印章、写真と多岐にわたり、なかでも常に強い関心を示していたのが建築であった。

高棟が生涯に所有した建物は、東京今井町本邸のほかに、京都では油小路邸、木屋町別邸、旧後藤家岩栖院別邸、別荘として箱根小涌谷別荘、拝島別荘、そして晩年を過ごした大磯城山荘がある。

大磯城山荘は建築資材や内部の家具・調度品などに、奈良薬師寺をはじめとする全国の社寺から集めた古材を用い、その再生を図っていることが特徴的だ。

38,000坪という広大な敷地内には、本館以外にも大小さまざまな建物が築かれ、国宝に指定された茶室「如庵」と付属施設も今井町本邸から移築された。「如庵」は、もともと織田信長の実弟で千利休の弟子であった織田有楽斎が京都に創建した茶室で、明治41年に売却され、三井家が今井町邸内に移築して保存していたもの。国宝指定は昭和11年で、13年に大磯への移築が完了した。
財閥解体後、この場所はしばらく放置されていたが、現在は神奈川県立大磯城山公園として一般公開されている。

三井高棟の現役時代の逸話は長くなるので、割愛いたしまして・・・作品に戻りましょう。

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永楽即全による仁清写茶碗です。

しかし、後年の即全作品とは、ちょっとテイストが異なります。後年の堅い感じではなく雅味があるといったらよいのでしょうか・・・。

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裏側より。

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印は”城山”の丸印です。

城山窯では、色絵・交趾・金襴手などの花入や香炉を中心に制作されておりましたが、同時に三井家に伝わる茶入や茶碗などの古器名品を研究し、茶陶の真髄を学びとっておりました。

この作品はその時に生れたもので、古作の仁清を模したと思われます。

この頃の活躍により、昭和18年(1943)には戦時下において、伝統的な工芸技術を保存する人々に工芸資材を提供するため制定された、工芸保存資格者に認定されています。

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三井高棟書付

その後、高棟が亡くなり・・戦後の大変な時期に永楽即全は、京都へ戻り千家茶道を支える為、保全からの正統派茶道具を世に伝えるべく活躍することになるのです。


※ご成約済みです。
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