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【楽 旦入 志野写 皿(向付)】 5客組 [楽]



室町時代、茶の湯の中心であったのは将軍家です。

故に珍重される高価な”唐物”を中心とした道具での茶の湯でありました。



しかし、桃山時代に入り・・・利休による茶道の体系化、そして信長や秀吉による武人による茶の湯、さらには町衆への広がるを見せる中、圧倒的にお道具が不足する事態となりました。

そこで、”国焼”とよばれる”和物”茶陶が生まれることとなるのです。



なかでも、今では”国焼”のうちに含まれますが・・・当時は”国焼”とは呼ぶことを許されなかったのが瀬戸焼です。

瀬戸は、本窯とよばれ和物の中でも中心の位置づけでありました。


そして過去は瀬戸という分類に含まれておりました”美濃焼”もまたしかり。

国焼の一躍エースとなるのです。



しかし、それらは桃山期~江戸初期という期間のみであり、以降は途絶えたといっても過言ではありません。

手に入りにくい唐物から和物へ移行したのに、またしても手に入れにくくなるという状況になったのです。


江戸後期になると、そういったやきもののもつ魅力を求める声に応えるべく・・・楽家でも美濃焼の写しを製作しております。


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【楽 旦入 志野写 皿(向付)】 5客組


幅  16.3㎝×12.5㎝ (各客)

高さ 3.8㎝ (各客)

時代 文化8年(1811)~弘化2年(1845)頃




なかなか、目にすることのない楽の器です。

楽家では有名な手として認知されているようで、後世に寄せ向付としての作品の中に含まれたりもしておりますが、過去の楽焼の器の展観では紹介されておらず、また・・他の代でも作られていないことからも希少さがうかがえます。



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5客、状態も良く現存しております。



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共箱です。

では、各客の詳細画像をご覧くださいませ☆




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楽家でも初期から存在する、香炉釉の技法を使い、そこに赤楽の釉薬を使って絵付けをすることで疑似的に志野焼風の意匠を再現しているようです。

そこには、”写し”とはまた違ったリ・イマジネーションを感じます。

形状もやさしさと造形のダイナミックさが混在し、盛り付け面の広さや、重ねやすさといった使いやすさも非常に考えられております。


作品自体の、雰囲気は写真よりも実物の方がはるかに風合いがよく、時代を超えた取り合わせにも対応する逸品作と思います。

なかなかも珍品であることと、状態の良さから値は少し張ってしまいましたが、久々に扱いたくなった楽の器です☆


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楽 旦入


江戸後期の茶碗師。楽家十代。九代了入の次男。

幼名は市三郎・惣治郎、名は吉左衛門、別号に秀人がある。

了入に師事し、文化8年(1811)17才で家督を継ぎ襲名した。千宗旦から一字を贈られ、旦入と号する。

箆使いの名手と言われた。

嘉永7年(1854)歿、60才。



※売却済みです。
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