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【角谷一圭 九輪釜】 [茶道具]

古より伝わる形状の、釜も良いのです・・・が、扱うのはどうしても珍しい形になってしまいます。

7年ぶりに、九輪釜が入りました☆

といっても、意匠などは異なります。今回の方がモダンです~


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【角谷一圭 九輪釜】


幅 18.5㎝  高さ 19.7㎝(肩迄)22㎝(摘み迄)



一圭は、鋳物師の家に生まれ、なんと小学5年生で学校を辞めて(!)父に師事し鋳物を学びます。

十代で既に作品を生み出し、その後に”帝室技芸員”である”香取秀真(かとりほつま)”の指導を受ける中で、芦屋釜の研究を勧められます。

さらに、茶釜研究家である”細見古香庵”との親交の中で、重要文化財級の芦屋・天命の両系統の釜にふれる機会を得、補修にも携わることで、自身の技と見識を高めます。

和銑という、貴重な素材の研究も長け、伝統とは異なる独自の感覚を合わせることで”一圭様式”ともいうべき独特のデザイン釜の世界を構築したのです。


この九輪釜は、そんな中でも珍しい作品です。


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銘部分です。 釜の蓋にも在銘あります。

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”鳴り”も現存します。


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底部


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共箱


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九輪釜は、寺の塔の頂上を飾る相輪の部分である九輪の形を模した釜で、筒形の胴を九輪の中央を貫く心棒の部分である刹管(さつかん)に、鐶付を刹管を取り巻く笠上の輪である宝輪(ほうりん)を留める軸に見立てたものです。

九輪釜は、正平三年(1348)高師泰(こうのもろやす)が塔の九輪の宝形をはずして鑵子(釜)に鋳直したものが最初といわれております。

利休も所持しているものがあったそうです。


この九輪釜は、一圭デザインによるもので、関東のモダン釜師である長野派にも通じるところがあります。

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上から1,1、7と9つの輪があります。

(細い刷毛目のような轆轤目のようなのは除きます)


なかなかの洒落た筒釜になります。


風炉に合わせるも、釣りにするも、立礼棚に合わせるも、よし、です。



『角谷一圭』 


1904年 大阪市生まれ

1917年 父巳之助より茶の湯釜制作技法を習う
     大国藤兵衛、香取秀眞に師事

1942年 商工省技術保存資格認定

1958年 第5回日本伝統工芸展高松宮総裁賞

1961年 第8回日本伝統工芸展朝日新聞社賞

1976年 勲四等瑞宝章

1978年 重要無形文化財「茶の湯釜」保持者に認定 (人間国宝)

1999年 逝去


※御成約済みです。


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