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【永楽正全 青交趾中皿】 10枚組 [食の器]

この、コロナ禍であっても『食』に対する欲求というのは変わりません。

お料理屋様方では、大変なご苦労もなさっておられるようですが・・・それでも皆様方、工夫を凝らしておもてなしをされておられます。

おなじく、『茶の湯』におきましても、かつてない状況に直面しておりますが、こちらも皆様方の工夫により楽しまれているようです。

そんな工夫の中で、脚光をあびつつあるのが、銘々皿です。

取り分け、という形式が敬遠される中でのことですが、それは正座スタイルから椅子スタイルへの現代人の嗜好にも合致するものであり、アフターコロナでも定番化するのは間違いないでしょう。


今回、ご紹介致しますのは・・・・懐石用として、食の器として生まれた中皿ですが、銘々皿としても楽しめそうな作品です。



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【永楽正全 青交趾中皿】 10枚組


幅14㎝  高さ3.5㎝ (各)


1927(昭和2)年~1932(昭和7)年 頃




正全は、永楽14代”得全”の妻であり、のちに”妙全”と号して永楽家の断絶を防いだ”お悠さん”の甥にあたります。

早世した得全のあと、プロデューサー・デザインワークといった面を中心に大正時代の永楽作品を生み出した妙全の、実質的な製作を担っておりました。

妙全の現存作品から推察出来ますように、正全の製作数はかなりの数に及ぶと思われます。

しかしながら、妙全没後・・・正式に代を襲名した”正全”名義の作品は、得全と同じく数は少ないのです。

それは正全としては、襲名後・・わずか5年間しか活躍しないうちに、53歳の若さで亡くなってしまわれたことに起因します。

1927(昭和2)年~1932(昭和7)年のことです。


しかし先述の通り、妙全時代を含むと実質的な製作数は多かったため、その技術力は高かったのです。


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この交趾の作品は、明治期に永楽和全が製作した室町三井家旧蔵作品を写したものです。

(現在 三井記念美術館収蔵)


口縁は八稜の輪花の形状で、中央に”寿”の文字が。

その周りに”雲龍”も浮き文が意匠化されております。


和全作品は中央が”福”ですが、アレンジされております。


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即全以降では、見受けられない古作の交趾風の味わいが出せており、妙全時代の器では綺麗な上がりに終始していた傾向に対して、少数製作時代だからこそ、の作風かもしれません。

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10枚、状態良し、です。 裏面高台まわりの白っぽいのは焼成時に釉薬が解けてしまってる部分です。

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お値段も、ほどほどですのでお料理屋さまにも、お茶人さまにもお愉しみ頂けたらと思います。


※御成約済みです。


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