SSブログ

【永楽保全(善一郎) 染付竪唄香合】共箱 即全極め外箱 [永楽保全  Blue&White]

香合の、ご紹介が続きます☆


「染付」というものは、白い素地に酸化コバルト(呉須)を含む顔料で絵付けを行い、透明な上釉を掛けて還元焼成をして作られる磁器のことです。

もともとは染織用語から派生した言葉で、染め物が室町時代にはじめて中国から輸入されたときに、見かけが藍色の麻布に似ていることから日本で染付と呼ばれるようになりました。

中国では青花(華)・釉裏青と呼ばれます。


江戸後期の京焼では、奥田潁川が磁器に赤絵を施す作品を完成させましたが、染付はまだ技術がありませんでした。

瀬戸の磁祖といわれる、加藤民吉が染付の焼成技術を完成させてから遅れること5年、仁阿弥道八によって京焼で染付のやきものが為されました。

(↓ 当方ブログでのご紹介 ご参照下さいませ。)

https://koundo.blog.ss-blog.jp/2020-01-18


文化9(1812)年頃のことです。


そして、文化14(1817)年・・・紀州徳川家よりお庭焼へ招聘された際の功により「永楽」「河濱支流」の印を授かった永楽保全は、いよいよ野々村仁清の窯跡の地にて御室窯を築窯し、自身のブランドによる製作をスタートしました。

その頃から既に、染付作品を自在に製作しておりました保全が、自身の歴の中でも一番の熟成期ともいわれる・・・「善一郎」時代に製作した香合のご紹介です。




DSC04624-1.jpg


【永楽保全(善一郎) 染付竪唄香合】

 共箱 即全極め外箱


幅   3.8㎝

高さ  4.2㎝

時代  天保14(1843)~弘化4(1847)年頃



型物香合 番付 【西三段 三位】


竪唄(たつばい)といいます。

唄貝を立てた形のことで、横唄香合とはまた違った趣があります。


染付と、吹き墨による絵付けで、これは向付での栄螺にも見られる組み合わせで、貝の意匠の際にどことなく・・・海を連想させる趣向なのかもしれません。


DSC04626-1.jpg

DSC04627-1.jpg


シンプルですが、かわいらしさもあり。

DSC04628-1.jpg


DSC04630-1.jpg

印は、この小さな造形的な香合に巧いこと・・・「河濱支流」印を押してます。

この印は特別作に使用されるケースが多いですね。


DSC04622-1.jpg

DSC04623-1.jpg

善一郎共箱

天保14(1843)年から弘化4(1847)年のわずかな間が善一郎時代です。

三井家の庇護も深い頃です。

鷹司家から、「陶鈞軒」の号と印を賜ったのもこの頃です。

DSC04620-1.jpg

DSC04621-1.jpg

即全(十六代)による外箱極めです。


DSC04624-1.jpg


有名な、型ですが案外出物は少ないのです。


※御売約済みです。

=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。