SSブログ

【仁阿弥道八 仁清形秋草 茶碗】 [幕末京焼]

幕末京焼の三大名工のひとりであり・・・天才の誉れ高い、仁阿弥道八の良い作品が入りました☆

道八作品の中でも、希少な色絵のお茶碗となります。



DSC05574-1.jpg


【仁阿弥道八 仁清形秋草 茶碗】


幅    12.5cm

高さ    8.3cm

高台径   5.2cm


製作年代  文政9(1826)年~天保13(1842)年頃




『京焼』といえば真っ先に思い浮かぶのが『野々村仁清』です。


類まれなるセンスの持ち主であり、圧倒的な轆轤引きの技術と、金銀彩や色絵を使い艶やかな色彩を陶器込めることで、一世を風靡したのです。

形状、自体の完成度の高さの上に成り立つ絵付けの美であります。


それは、琳派の乾山の時期を経て・・・江戸後期に再び、京焼の世界へ降臨することになります。


その伝道師のひとり、が仁阿弥です。



造形作品であったり、乾山写しも有名な仁阿弥ですが‥お茶碗も数多く残しております。

しかし、よく見られるのは・・・『楽焼』であったり、豊彦や来章等の同時期の画工とのコラボレーションによる絵付け作品です。

仁阿弥自身による、色絵茶碗は伝世数が多くありません。


このお茶碗は、どこか侘びた風情である『秋の気配』を独自の感性で描かれております。


DSC05575-1.jpg


その、綺麗な轆轤目と御本の発色・・・に『女郎花』がかわいらしく。


このベースとなる、御本茶碗の風景も良いのです!

DSC05577-1.jpg


見込みに明るくピンク色に発色したものが、全体に斑点が広がっていきます。

DSC05578-1.jpg


大事に、使い込まれて時代を超えてきた感じが出ております。

DSC05576-1.jpg


絵付けの無い面の、轆轤目や上釉のかかり方も味わい深く見どころがあります。


DSC05579-1.jpg


高台側です。


DSC05580-1.jpg


『道八』印です。この印は晩年によく見られる印銘のひとつになります。


仁阿弥号を使ってる時期でも、『仁阿弥』印と同時期に使用されております。


DSC05573-1.jpg


共箱になります。


仁阿弥の称は、文政9年(1826)に仁和寺宮から法橋(称号です)を叙せられる際に拝領した『仁』の字と、醍醐三宝院宮より『阿弥』号を賜ったことから、併せて『仁阿弥』と称されたものです。

ですので、この作品は1826年以降、三代へ代を譲り伏見桃山へ隠居した天保13年(1842)迄の間の作品となります。


DSC05574-1.jpg


見た目は明るい色調の色絵です。


しかし、このやや灰色味のある仁清釉と、この赤を基調とした花の描きは・・・秋の夜に月の光を浴びて映える、その姿をも思わせるのです。


単に絵付けをするだけでなく、もうひとつ『考えさせる』『感じさせる』、ことがこの時期の京焼陶工の感性・知識の高さをうかがわせるのです。


※ご成約済みです。



=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《問い合わせ先》


          藤井香雲堂
 

TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp


※当ブログはPC用サイトでの閲覧を推奨しております。
スマートフォンでご覧頂く場合もPC用表示をご選択下さい。

=======================================================






nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。