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【長岡空味 古代手 大海茶入】 [茶道具]

ちょっと、珍しい茶入のご紹介です。


『楽山焼』です。


楽山焼は、松江藩の2代目、綱隆が1677(延宝五)年に山口の長門より萩焼の陶工である『倉崎権兵衛』を招聘し、窯を興させたのが始まりです。

もちろん、その当時は『藩窯』の技術は一大機密であり、人員の移動も容易では有りませんでした。

松江藩から、毛利候へお願いし頼みを聞いてもらったようです。


倉崎権兵衛は、萩の土と釉薬を用いて萩焼をベースに改良した茶器を製作しました。

特に、『伊羅保』の写しに長けており、『権兵衛焼』と云われ人気を博したのです。


その後、二代加田半六・三代加田半六・四代加田半六・五代長岡住右衛門貞政・六代同貞正(空斎)・七代同空大・八代同庄之助・九代同空味・十代空処・十一代空権と続き、現在は空郷が十二代を継承しております。


長岡家は、四代目で楽山焼が一時中断した後、継承した陶家です。

代々、茶味溢れる作風と確かな技術を持ち続けておりますのが特徴です。



さて・・・、今回ご紹介する作品は、初代辺りの『古楽山』のテイストを取り入れたという作品です。


空味 大海茶入 (6)-1.JPG



【長岡空味 古代手 大海茶入】


幅     8.8cm

高さ    4cm


制作年代  大正後期~昭和初期頃




この、鼠色のような肌合いは、古楽山の水指等にもみられる色合いです。


裏側の方はこんな感じです。


空味 大海茶入 (7)-1.JPG



空味 大海茶入 (9)-1.JPG


上からです。良い蓋が添っております。


空味 大海茶入 (10)-1.JPG

蓋を開けて。


丁寧な薄造りです。



空味 大海茶入 (8)-1.JPG


底側です。



空味 大海茶入 (5)-1.JPG


仕覆です。



空味 大海茶入 (3)-1.JPG


空味 大海茶入 (4)-1.JPG


空味の、比較的前期頃の作品かと思われます。



楽山焼 9代目である空味と、5代目の小島漆壺斎はともに、明治期までの茶道衰退の時期の苦労を乗り越え、抹茶茶道が再び脚光を浴び始める時期に活躍しました。


不昧公ゆかりの両家です。

空味は、不昧公没後100年記念の際に行われた茶会等に合わせて、製作に励み・・・また、その際に展観された、古器の名品の数々に刺激を受け、さらに雅味あふれる作風へと昇華していったと言われております。


そんな中でも、当作品は類例の少ない作品ですが、なかなかのものです。

底部に銘が無いため、共箱に加えて外箱として、当代である十二代空郷の極め箱が添えられております。


空味 大海茶入 (1)-1.JPG

空味 大海茶入 (2)-1.JPG




空味 大海茶入 (6)-1.JPG


お値段もほどほどで、お愉しみ頂ける作品です☆


※ご成約済みです。


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