【岡本漆園 舟橋蒔絵 平棗】 而妙斎 箱 [茶道具]
なっかなか・・・蒔絵作品の入荷が、陶磁器に比すると圧倒的に少ない当店です。。。
『何故?』
それは、納得できる作品でお値頃なものが全く無いから、です。
感覚的に、陶磁器での満足レベルと蒔絵の満足レベルとでは、価格帯が3倍は差があるように思います。
ということで、ご紹介出来る機会がなかなか。^_^;
この度、『時代』は新しくなってしまいますが、面白みのある作品が手に入りましたのでご紹介致します!
【岡本漆園 舟橋蒔絵 平棗】
幅 8.9cm
高さ 6.3cm
製作年代 平成中期頃
箱 共箱 而妙斎 箱
『重厚』な平棗です。
大胆にも、『国宝』に認定されております『本阿弥光悦』の有名な『舟橋蒔絵硯箱』を茶器へとリ・イマジネーションした意欲作です!
その、『本歌』を見てみましょう。
通常の硯箱とは違い、蓋を大きく張り詰め・・・高く盛り上げ、センターに『鉛板』をはめ、銀板により文字を入れております。
このデザイン感覚、そして『書』を意匠に見立てる感性こそが、『光悦蒔絵』の真骨頂であるといえます。
江戸時代・初期の作品で、1967年に国宝に認定され『東京国立博物館』に所蔵されております。
今回の作品を元に、『和歌』を紐解いてみましょう。
8世紀頃の、村上天皇の勅撰による『後選和歌集』にある『源等(みなもとのひとし)』による歌です。
春(上・中・下)、夏、秋(上・中・下)、冬、恋(六巻)、雑(四巻)、離別(附 羇旅)、賀歌(附 哀傷)の20巻からなり、総歌数は1425首だそうです。
(序詞)人のもとにつかはしける
鉛の上に蒔絵された部分から・・・
『東路』
『乃』
『さ乃ゝ』
『舟橋』(鉛の橋を以て代える)
『かけて』
『濃ミ』
~東路の佐野の舟橋かけてのみ~
甲の上角から・・・
『思』
『わたる』
『を知』
『人そ』
~思わたる人ぞ~
甲の下角に
『なき』
~なき~
『人のもとにつかはしける 東路の 佐野の舟橋かけてのみ 思わたる人ぞなき』
東路の佐野の船橋(群馬県高崎市にあった橋)、舟橋は舟を連ねてその上にかける橋です。
思い渡る→想い続ける、と
女性への、募り続ける想いを詠んだ『恋の歌』です。
想いが通じないこと、または今は居ない人への想いであるとも取れますね。
または、今はまだ見ぬ相手への希望かも。
全面に『波蒔絵』を施し、紛溜と蒔絵にうよりダイナミックな舟を連ねて魅せ、本歌より強く・・・恋のメッセージ感が増しております。
まさに、現代的ともいえますね。(^^;
内側も『紛溜』にて高級感がある中、『而妙斎』の花押が朱書されております。
書付箱
今も続く、京都四条の『岡本漆専堂』は表流のお道具も手掛けており、御書付道具などは『漆園』ブランドの逸品作として送り出されております。
まもなく、2月。
『バレンタインデー』のお道具としていかがでしょう☆
※御成約済みです。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【Journal of FUJII KOUNDO】
当ブログは、『藤井香雲堂』の各種インフォメーションをお知らせするものです。
インスタグラムやツイッター、Facebook等のSNS全盛時代ですが・・ブログでしか表現出来ない情報をお届けする為、『敢えて』ブログ形式に拘っております!
お問い合わせはメールもしくはお電話にてご気軽にどうぞ。
fujii-01@xc4.so-net.ne.jp
090-8578-5732 (直通)
【BASE 215】 大阪市浪速区日本橋東2-1-5 大阪南美術会館内
当店の出張営業所です。現在では『岸和田本店』よりこちらを中心に活動しております。
当ブログにてスケジュールをご確認の上、上記より事前に『ご来訪のご連絡』を頂戴致したく存じます。
大変ちいさなギャラリーですので、コロナ禍で有りますことと、おひとりおひとりと、きちんとご対応したいのでアポイントメント制となっております。何卒ご理解の程宜しくお願い申し上げます。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
『何故?』
それは、納得できる作品でお値頃なものが全く無いから、です。
感覚的に、陶磁器での満足レベルと蒔絵の満足レベルとでは、価格帯が3倍は差があるように思います。
ということで、ご紹介出来る機会がなかなか。^_^;
この度、『時代』は新しくなってしまいますが、面白みのある作品が手に入りましたのでご紹介致します!
【岡本漆園 舟橋蒔絵 平棗】
幅 8.9cm
高さ 6.3cm
製作年代 平成中期頃
箱 共箱 而妙斎 箱
『重厚』な平棗です。
大胆にも、『国宝』に認定されております『本阿弥光悦』の有名な『舟橋蒔絵硯箱』を茶器へとリ・イマジネーションした意欲作です!
その、『本歌』を見てみましょう。
通常の硯箱とは違い、蓋を大きく張り詰め・・・高く盛り上げ、センターに『鉛板』をはめ、銀板により文字を入れております。
このデザイン感覚、そして『書』を意匠に見立てる感性こそが、『光悦蒔絵』の真骨頂であるといえます。
江戸時代・初期の作品で、1967年に国宝に認定され『東京国立博物館』に所蔵されております。
今回の作品を元に、『和歌』を紐解いてみましょう。
8世紀頃の、村上天皇の勅撰による『後選和歌集』にある『源等(みなもとのひとし)』による歌です。
春(上・中・下)、夏、秋(上・中・下)、冬、恋(六巻)、雑(四巻)、離別(附 羇旅)、賀歌(附 哀傷)の20巻からなり、総歌数は1425首だそうです。
(序詞)人のもとにつかはしける
鉛の上に蒔絵された部分から・・・
『東路』
『乃』
『さ乃ゝ』
『舟橋』(鉛の橋を以て代える)
『かけて』
『濃ミ』
~東路の佐野の舟橋かけてのみ~
甲の上角から・・・
『思』
『わたる』
『を知』
『人そ』
~思わたる人ぞ~
甲の下角に
『なき』
~なき~
『人のもとにつかはしける 東路の 佐野の舟橋かけてのみ 思わたる人ぞなき』
東路の佐野の船橋(群馬県高崎市にあった橋)、舟橋は舟を連ねてその上にかける橋です。
思い渡る→想い続ける、と
女性への、募り続ける想いを詠んだ『恋の歌』です。
想いが通じないこと、または今は居ない人への想いであるとも取れますね。
または、今はまだ見ぬ相手への希望かも。
全面に『波蒔絵』を施し、紛溜と蒔絵にうよりダイナミックな舟を連ねて魅せ、本歌より強く・・・恋のメッセージ感が増しております。
まさに、現代的ともいえますね。(^^;
内側も『紛溜』にて高級感がある中、『而妙斎』の花押が朱書されております。
書付箱
今も続く、京都四条の『岡本漆専堂』は表流のお道具も手掛けており、御書付道具などは『漆園』ブランドの逸品作として送り出されております。
まもなく、2月。
『バレンタインデー』のお道具としていかがでしょう☆
※御成約済みです。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【Journal of FUJII KOUNDO】
当ブログは、『藤井香雲堂』の各種インフォメーションをお知らせするものです。
インスタグラムやツイッター、Facebook等のSNS全盛時代ですが・・ブログでしか表現出来ない情報をお届けする為、『敢えて』ブログ形式に拘っております!
お問い合わせはメールもしくはお電話にてご気軽にどうぞ。
fujii-01@xc4.so-net.ne.jp
090-8578-5732 (直通)
【BASE 215】 大阪市浪速区日本橋東2-1-5 大阪南美術会館内
当店の出張営業所です。現在では『岸和田本店』よりこちらを中心に活動しております。
当ブログにてスケジュールをご確認の上、上記より事前に『ご来訪のご連絡』を頂戴致したく存じます。
大変ちいさなギャラリーですので、コロナ禍で有りますことと、おひとりおひとりと、きちんとご対応したいのでアポイントメント制となっております。何卒ご理解の程宜しくお願い申し上げます。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
2023-01-27 16:41
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0