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【永楽保全 湖南焼染付山水絵 向付(一) 火入にも】 17代永楽善五郎極め箱 [永楽保全  Blue&White]


『永楽保全 Blue&White』

続けてご紹介致します☆



生涯をかけて、知識の探求とたゆまぬ努力を続けた・・・幕末京焼の名工のひとり、それが永樂保全です。


晩年は、息子である和全との不仲や財政難により、かなり苦労をし・・・江戸や滋賀、高槻と流浪の身でありましたが、それぞれの行く先で確実な足跡となる作品群を遺しています。

そんな中でも、評価されるのが『湖南焼』といえましょう。



嘉永3年10月、京都を離れ江戸行きを敢行しました。

江戸窯を築き、新たな地で心機一転、腕を奮うつもりであったようです。

しかし、三井家の援助は得られず・・・失意の中、嘉永4年6月、京へは戻らず滋賀県の大津の『長等山』、『三井寺下鹿関町』に仮寓し、再起を図ることにしたのです。


この時期に焼成されたものたちは、『於湖南』『長柄山焼』『三井御浜焼』といったものがあります。


『染付』が中心であり、また・・・保全の作陶活動の集大成ともいえるのです。


間に嘉永5年に大阪の摂州高槻城主、永井候の招聘により『高槻焼』を築窯し製作しましたが、これらもまた・・・染付のみであります。

嘉永4(1851)年~嘉永7(1854)年の3年間、ここに着目すべき点があると考えるのです。


保全 湖南焼火入 (3)-1.jpg



【永楽保全 湖南焼染付山水絵 向付(一) 火入にも】


幅  8.8cm

高さ 7.8cm

製作年代 嘉永4(1851)~7(1854)年頃

箱 十七代善五郎 極め箱



これまた、先ほどご紹介いたしました・・・蓋置とは違い、すっきりした染付です。

この焼成具合は、まるで明治後期の香山並の染付です。


まだまだ、京焼に於いては「染付技術」は始まったばかりの中、仮寓の地に於いてこのレベルは目を見張るものがあります。


保全 湖南焼火入 (4)-1.jpg


斜めに置くのが一番カッコ良いかもです。


保全 湖南焼火入 (5)-1.jpg


保全 湖南焼火入 (6)-1.jpg


保全 湖南焼火入 (7)-1.jpg


保全 湖南焼火入 (8)-1.jpg


元は、「向付」として生まれたのでしょう、見込み底にも絵付けがございます。


しかし、湖南焼では酒器等は多く見かけますが、懐石道具は珍しいかもしれません。


保全 湖南焼火入 (9)-1.jpg


「於湖南 永楽造」


保全 湖南焼火入 (1)-1.jpg


保全 湖南焼火入 (2)-1.jpg


こちらも、17代の極め箱になります。


火入とされておりますが、元々の生まれから・・・「酒器」としても、おひとり用の「御向」としてお使い頂くのもお勧めします!


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