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催しのおしらせと、2018年8月6日~7日の新入荷情報です。 [催事]

8月のベースも1日~5日迄で終了致しました。

珍しく、土・日も日程に加えさせていただきましたが・・・あまり意味はなかったようです。(^^;

いつもは中旬~下旬にベース日程を組ませて頂いておりますが、お盆や催事などの都合で今回は頭に組ませていただきました。

7月から間を空けずのスケジュールで、さらにこの衰えることのない猛暑の中・・・お越し頂きました皆様方には本当に感謝の念が絶えません。(__)


次回の9月は


12日(水) 13日(木) 14日(金) の3日間となります。

どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

※今月ではありませんよ! (^^;



では、夏なので・・・ほんの少しですが、新入荷情報です。


♢永楽即全 交趾羽衣香合

まぁ、定番的な作品です。 お安くなりました。


♢佐野長寛 黒髹茶用饌器 倣 盛阿弥作意 五客揃

後日、ブログにてご紹介致します。

長寛の四つ椀は大変珍しいものです。 




みなさま、お盆が近づいて来まして、お仕事の詰め・・レジャーの段取りなどでご多忙のことと存じます。

当店も本日より、実営業は小休止で、1週間ほどJFKのみでの稼働になります。


ベースは今月は終了致しましたが、催しのお知らせです。



◎大美正札会

8月24日(金)・25日(土)

大美にて公式開催の第1回になります。 茶道具の展示会であります十翔会とはまた違う雰囲気をお楽しみください。

受付にて、”藤井香雲堂”をお呼び出し下さいませ。 ちょっと、気になる作品を一定時間キープできます商談札をお渡しさせていただき、正札会のお楽しみ方をご説明申し上げます。

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◎8月29日(水)~9月4日(火)

丸善 東京日本橋 3階ギャラリー 『はんなり骨董楽市』

また今年も夏の風物詩? はんなり・・の季節が参りました☆

東京での1週間催事、書店というゆったりした雰囲気の中、どうぞお楽しみくださいませ。

東美正札会の時は混雑とバタバタですが、この時はぜひ関東の皆様とゆっくりお話させていただきたいと思います。

また、後日詳細をお知らせいたします。



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永楽和全 桜井の水 茶碗 武者小路実岳詠歌写 [新入荷]

続きました、永楽シリーズもこれで最後になります。

この作品は7年前にも同手を当店で取り扱いました。ひさびさの入荷になります。

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永楽和全 桜井の水 茶碗 武者小路実岳詠歌写


和全は晩年、了全以来の居宅があった油小路一条の地を売却し、京都東山の下河原鷲尾町、さらに建仁寺塔頭、正伝院へ居を移し『菊谷窯』を開きました。

明治十五年(1882年)のことです。


菊谷手の作風に、詠み歌を配置しております。

それは前時代の歌人の歌です。

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加気阿可亭 (掛け飽かで)

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具みし堂可世の (汲みし常世の)

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春与利可 (春よりか)

花濃名に寿む (花の名に住む)


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沙くら井の水 (桜井の水)



武者小路実岳 (むしゃのこうじさねおか)の詠み歌です。

実岳は1721年~1760年に生きた公卿であり歌人です。

享保6年10月20日生まれ、武者小路実陰の孫。武者小路公野の子。

左近衛(さこんえの)中将となり、宝暦5年従三位にすすむ。二条派宮廷歌人で、門下から伴蒿蹊(ばんこうけい)や澄月(ちょうげつ)がでた。

宝暦10年8月12日死去。


名は”さねたけ”ともよむ。


桜井の水、とは宝ヶ池近くにある、湧き水の名所です。古くは清少納言の枕草子にも登場します。

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見込み、には桜のつぼみがあしらわれており、抹茶を飲み終わった時に姿を現します。

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共箱

明治21年の作であることがうかがえます。 菊谷焼とは明記されておりませんが、時代、土、釉薬、作風共に合致します。

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サイズ 幅11㎝ 高さ7㎝


粗い胎土にざっくりとした絵付けのものが多く、ある種民藝的もあり・・・・京焼の伝統で様々な

技法・作品をありのままにこなしてきた和全の境地ともいえます。


※売却済みです。
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永楽保全 蔵六亀香合 白檀地 長寛塗 大綱和尚箱 [新入荷]

今回も、昨日からの流れでのご紹介になります。

こちらも珍しい作品です。

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永楽保全 蔵六亀香合 白檀地 長寛塗 大綱和尚箱

永樂保全さんは、幼名は千太郎といい、一説に京都の織屋・沢井家出身といわれます。

幼少から陶器の釉薬を商う百足屋へ奉公し、大徳寺黄梅院住職大綱和尚のもとで修業致しました。

その後1806年頃、大綱和尚の紹介で永樂了全の養子となります。

1817年に11代を襲名。1827年には紀州藩十代藩主徳川治寶の西浜御殿の御庭焼開窯に招聘され、作品を賞して「河濱支流(かひんしりゅう)」の金印と「永樂」の銀印を拝領することにより、それから永楽を名乗るようになりました。

さて、大亀香合は本歌は17世紀(明~清時代)に交趾焼で生まれたものです。

元は合子であったものを香合として見立てたともいわれます。

その造形や色彩(本歌は黄色や緑の交趾)から人気があり、さらに希少さも際立っていることから、型物香合では最上位の東の大関として番付されておりました。

生島家伝来品、雲州家伝来品が色絵として著名で、惣萌黄のものも根津美術館蔵ほか数点知られています。

エピソードとして有名なのは、藤田男爵が入手したお話です。

高橋掃庵氏の文献より引用してご紹介いたしましょう。



明治四十五(1912)年の三月末、大阪で行われた、生島家蔵器入札のときのことである。

出品されたものの中に、交趾焼の大亀香合があった。

この香合は、名物香合番付で、昔から大関(注・横綱はなく大関が最高位)の位置を占めているもので、松平直亮伯爵所蔵の、不昧公遺愛の同香合と、天下の双璧として知られているものである。

それに先立つこと、藤田男爵は、道具好きの割には、みずから茶会を催すことがあまりなかったので、適当な名品が揃ったら、生前に一度は会心の茶会を催してみたい、ということで、だんだんに器物を集め始めた。

そして、あとは交趾の大亀香合さえ手に入れたら、思い通りの道具仕立てができるからといって、何度もこれを所望したのだが、生島氏がこれに応じることはなかった。

そんなことで、なすすべもなく月日を送るうちに、藤田男爵は大病にかかってしまった。

 生島家蔵器入札の当日は、まさに、男爵の臨終の日だった。男爵は、前々から欲しくてたまらなかった(原文「兼て執心の」)大亀が、いよいよ入札市場に出たので、是非ともこれを買おうとしたが、その入札金額が、生島氏の希望額に達していなかったために、親引(注・入札者に戻ること)になってしまった。

 そこで藤田家のお出入り道具商であった、戸田弥七【露朝】は、藤田男爵の病床に進み出て、その指示を待った。そしてとうとう、示談で、当時のレコード破りの九万円で、売買の相談がまとまったのであった。

 この吉報のたずさえて戸田が男爵の病床に駆けつけたときは、今や、男爵が最期の息を引き取らんとする時だった。耳元で声高に、「大亀を取りましたから、ご安心なされませ」と伝えたところ、その声がよく心根に徹したとみえて、男爵はニコリとして、安らかに瞑目されたという。



現在の価格に直すと、9億円に相当するそうです。(^^;


作品に戻ります。

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型物香合番付表は、幕末時代に作られたものですから、大亀香合へのあこがれは相当のものだったのでしょう。

当時、京焼でありながらいわゆる京焼陶芸家とは別の軸で活躍しておりました保全は、同年代であり、これまた漆工芸では天才肌であった佐野長寛(寛政6年 1794~文久3年 1863)と合作により大亀香合を生み出しました。

それは、交趾ではなく漆の技法であった白檀塗を陶器に施すことで、別格の風合いを表現した・・・写しというより、リ・イマジネーション作品です。

保全と長寛の信頼関係につきましては、先日のブログでの宗三郎が佐野長寛の次男であることからもお分かりいただけることと思います。

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尻尾の方より。

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内側。

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底も丁寧に造りこまれております。


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両人の共箱がございます。

後述致します、箱書により1848年(もしくは1849年)の作品であることが判ります。

それは、永樂保全が善五郎 ⇒ 善一郎 ⇒ 保全(やすたけ)と変遷していく中で、保全を名乗る年であったということから、おそらく”保全”を名乗る転機にその意気込みを込めて作った作品であったと思います。

それは箱書からも推測されます。

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保全が修業を重ねた、大綱和尚による丁寧な箱書が添えられております。


『松風の 萬代齢よわふ(齢)

 友なれや 六越(むつを) かくして

 しづかなる亀

 七十六翁 大綱』



大綱和尚(1772-1860) 江戸時代後期の僧。
安永元年生。臨済宗。京都大徳寺住持。同寺塔頭黄梅院にすむ。歌をよくし,書画にすぐれ,10代千宗左,11代千宗室ら親交。安政7年2月16日死去。89歳。


亀の長寿、不変の松風から大綱と保全、保全と長寛、の末永い親交を現したかのような歌を詠みあげてるように感じます。

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サイズ 幅11cm×8cm 高さ6.5cm

こちらもまた、歴代展にも同手が出品されておりました。

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その他、世界的な香合コレクターで知られる、第1次世界大戦でのヴェルサイユ講和を主導したフランスの元首相であるクレマンソーもこの香合を所有されておりました。

その後、モントリオール美術館に3000点ものコレクションが寄贈され、1978年と2003年に日本での展示会が実現致しました。

そのどちらにもこの蔵六亀香合も展示されております。




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永楽善五郎(即全) 仁清写吹寄 手鉢 [新入荷]

たまには、即全さんの作品もご紹介しましょう。

といっても、なかなか、無い、逸品です。

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形状も、絵付けも、なかなかの出来映えです。

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金彩も上品に施されており、秋の慕情のうらさみしさの中に彩る、色彩の対比を仁清のテイストの中に閉じ込めております。

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手鉢、というのが吹き寄せをまるで集める篭のようにも見えます。

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印です。

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共箱 甲

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共箱 裏


即全作品の中でも、かなり珍しい部類に入るこの手鉢ですが・・・

先刻ご紹介しました宗三郎水指の時に述べました・・・源氏54帖展に似た作品が掲載されておりました。

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案外、秋使いの永樂の菓子鉢というのは秋草 ⇒ 龍田川はあまりないので雲錦くらいしか見当たらず、赤絵、とかになってしまうものです。

内底に、うすい染み、はございますがそう目立つものではございません。

大きさも程よく、主の菓子器にぴったりです。


ちょっと、お勧め作品です。



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永楽善五郎 回全 (西村宗三郎) 御室写水指 [新入荷]

またまた、永樂の珍しい作品のご紹介になります。

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永楽善五郎 回全 (西村宗三郎) 御室写水指


西村宗三郎・・・あまり聞きなじみのないお名前と思いますが、(当ブログではいつぞや、ご紹介致しましたが)それもそのはず。

十三代 回全を授けられたのは没後のことであり、生前も特に名乗っての作品はほとんどございません。

この方、江戸後期の漆の名工、佐野長寛の次男です。

保全と長寛の仲が良かった縁で、永樂家に弘化4年(1847)に養子に迎えられます。

保全が和全に家督を譲ったあとに、”善一郎”家として別家しようと考えたことからの行動ですが、そのことで保全と和全の仲に亀裂が入ることにもなりました。

それとは別に、宗三郎は保全の作陶を良く助け、保全の晩年には宗三郎の作になるものが数多く存在します。

また、和全の方にも大いに力を尽くし、御室窯を一緒に開窯し仁清からの流れを汲む佳品を製作することになります。

作品に戻りましょう。

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この作品も御室焼・・・仁清の意匠を写した水指で、その釉調や口の輪花の感じにその流れが見て取れます。

昔は、和全作品と混同されていたようですが、永樂即全が昭和63年に”源氏物語五十四帖”という即全の集大成というべき逸品展を行う際に、永樂家としては史上初となります”歴代展”も実現することが出来ました。

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その際には、永樂回全(宗三郎)作品として紹介されております。

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”河濱支流”印になります。

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共箱

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共箱 底  

五十の内

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外箱に当代極箱がございます。このまま書付にも出せますね。

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当時の塗蓋も付属します。 また違った顔を見せてくれます。

サイズは輪花の部分で15㎝ 柄杓を入れる口で12.2cm 高さは18.8cm つまみ部分まで含みますと20cmです。

”運び”にも”棚”にも合わせやすい水指です。


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西村宗三郎 明治九年(1876)一月二十九日に四十二歳で没します。

後に、永樂家への大きな貢献度から、十三代 回全として歴代に数えられることとなりました。

幕末から明治の激動期、名工であった保全と和全の性格の異なる親子の元で決して前へ出ることなく控えめながらも確かな実力を備え、残した足跡は・・時代を超えて残り続けることでしょう。


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横井米禽 御深井焼写 瓶掛 [新入荷]

米禽の大作です!

尾張陶磁器の最高峰であります、御深井焼を再現した作品です。

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『御深井焼 蝶模様瓶懸』

御深井釉が綺麗に発色しております。

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サイズは 幅 33.5cm 高さ 23.5cm になります。


裏返してみましょう。

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昭和三 戊辰秋十一月

今上天皇御大禮ヲ 京都ニ行セ給フ 即千其御大典之月之 臣民上下心ヲ一ニシテ 皇運隆盛ヲ
愈々祈ル

於 東雲里

米禽造 (花押)

時干戊辰秋十一月九日



横井米禽は大正期に東雲窯を買取り、自身の数奇の作品を生み出しました。

この作品は底に上記のように丁寧な彫りにて、昭和3年の昭和天皇の御大典の際に特別製作したものであることがうかがえます。

本歌は、御深井焼の有名な瓶懸で、過去の展観でも出品されておりました。

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サイズが大き目ですので、瓶掛としては勿論・・・風炉の代わりや硝子の板を置いてテーブルにも使えそうです。(^^♪


お値段は、びっくり価格です。



横井米禽(べいきん) 1885年~1941年

本業(古美術商)の傍ら作陶にいそしみ、研究・研鑽を重ね、大正13年には東雲焼(窯)を譲り受けて作陶に励んだ。 朝鮮系のものから伊賀などの和物に安南まで幅広く手がけ、なりよりどれも実にお茶に適っているので茶席で取り合わせるに重宝し、現在でも人気が高い。
昭和16年没。56歳。

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2018年7月30日の新入荷情報です。 [新入荷]

2018年7月30日の新入荷情報です。

名古屋での仕入で御座います。本日よりベースにてご覧いただけます☆



昭和3年 横井米禽 御深井焼 蝶模様瓶掛 御大典記念 東雲窯

19世紀前半 楽 旦入 柚味噌皿 五客 四客上 ※ご成約済

19世紀 仁阿弥道八 刷毛目 茶碗

1842~50年 仁阿弥道八 桃山御本 茶碗 鵬雲斎玄室 箱

明治21年 永楽和全 桜井の水 茶碗 武者小路実岳詠歌写

大正初期 初代 眞葛香山 乾山写 椿ノ画 菓子器 帝室技芸員印

佐久間勝山 瀬戸唐物写 茄子茶入

伊勢崎満 備前耳付 花生  ※商談中

伊勢崎満 備前 茶碗 鵬雲斎 箱

吉田華正 紅葉蒔絵 内梨子地 大棗 鵬雲斎 箱



どうぞ、宜しくお願い申し上げます!
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8月のベース営業日のおしらせです。 [BASE215]

本日は暑い中、ご来訪頂きました皆様、誠に有難うございました。

そこで、指摘されて気づきました・・・出張に気を取られて、こちらでベース営業日のお知らせをするのを失念しておりました。(^^;



2018年 8月 1(水) 2(木)3(金)4(土)5日(日) 2018年 9月 12(水)13(木) 14(金)
※出張・催事が多く、上記日程のみとなります。


暑中見舞い申し上げます。

昨年にもまして暑さが厳しく感じられます。お体を大切にお過ごしください。

藤井香雲堂

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